空冷のCPUクーラーでは冷却フィンの前後に冷却ファンをサンドイッチして取付けるデュアルファン仕様は冷えるみたいだけど
簡易水冷のラジエーターの前後に冷却ファンを取付けるデュアルファン仕様は120mmサイズのタイプしかみない。
冷却ファンをサンドイッチすると風圧・風量が増えるんだからきっと冷えるはず。
と言うわけで280mmタイプの簡易水冷で冷却ファンをサンドイッチにして検証してみた。
せっかくなんで冷却ファンの取付け数や取付け位置を色々と替えて検証してみたんで冷却にこだわりたい人は参考にしてくれ。
簡易水冷のラジエーターに冷却ファンを増やせば性能はアップする?
冷却ファンの位置により性能は変化するの?
☑️本記事の内容
☑️まえがき
冷却ファンの取付け台数を増やせば冷却性能はアップする。
ラジエーターの前後に冷却ファンを取付けると冷却性能は確実にアップする。
では取付け方によってどのくらい性能に違いが出るのか検証していく。
検証
ケースはまだまだ現役で活躍中のFractal Design Define R5。
CPUはRyzen5900X、簡易水冷 corsair H110i GTXで検証していく。
冷却ファンは純正の冷却ファンから最高峰と言われる Noctua NF-A14 PWMに交換。
CPU負荷は「Cinebench R23」を10分間実行してフル負荷とした場合の温度を確認する。
冷却ファンの回転数は騒音が気にならない実運用を想定して1000RPMで固定とした。
正規の取付(正面のみ2台取付)
はじめにおさらいとして、簡易水冷 corsair H110i GTXに正規取付けの2台だけ取付けた場合の冷却性能を確認する。
前回の記事で比較した結果で検証したデータを引用する。
詳細は下記の記事を参考にしてくれ。
Toughfan 14と Noctua NF-A14 PWM 140mm冷却ファンを比較してみた。
結果はこちら。
Package温度77.6℃、Cores(MAX)温度73.4℃なんで全然問題なく冷却できてる。
Ryzen 5900Xでも充分冷却できているので、ほとんどの人はこれで満足だろう。
では、もっとこだわりたいであろう自作erのために冷却ファンを追加して検証してみる。
クワッド仕様(裏面に2台追加)
正規の前面に2台を取付けてさらに裏側にも2台追加して合計4台取付のフル装備。
冷却ファンは Noctua NF-A14 PWM を贅沢に4台使用。
冷却ファンだけで合計約1万円なり。う〜ん。豪華仕様。
で、検証結果はこちら。
お〜。結構冷える!
正面のみ取り付けるのと比べてPackage温度は7.8℃下がり、Cores(MAX)温度は6.6℃下がった。
回転数1000RPM固定でこの冷却性能、すごいぞNoctua。
さすがに冷却ファンに1万円をかけただけあって、冷却性能はかなりアップした。
トリプルファン仕様(裏面の下側に追加)
では、次に冷却ファンの裏面を1台にケチった場合はどうなるのか。
裏面の下側に1台のみ取付けて検証してみた。
ちょっとバランス感は良くないけど。。。
結果はこちら。
裏面に2台取付に比べてPackage温度は2.7℃上昇し、Cores(MAX)温度は2.3℃上昇となった。
正面のみ取り付けるのと比べるとPackage温度は5.1℃下がり、Cores(MAX)温度は4.3℃下がった。
まーこれでも全然問題ない冷却性能だ。
トリプルファン仕様(裏面の上側に追加)
冷却ファンをケチったけど、もしかして上側に追加した方が冷えるんでない?
というわけで裏面の上側に1台のみ取付けて検証してみた。
やっぱりバランス感は良くないな。。。
結果はこちら。
裏面の下側に1台取付に比べてPackage温度は0.6℃下がり、Cores(MAX)温度は0.5℃下がった。
下側に取付けるより上側に取付けた方が若干ではあるが冷える。
まあ、誤差レベルかな。
と言うわけで冷却性能を少しでもアップしたい人は裏側に1台を下側に取付けるといいだろう。
まとめ
以上の結果を表にまとめると。
正面のみ 正面のみ取付 | 裏面 2台追加 | 裏面 下側に追加 | 裏面 上側に追加 | |||
Package | 77.6℃ | 69.8℃ | 72.5℃ | 71.9℃ | ||
CCD#0 | 82.8℃ | 82.3℃ | 82.0℃ | 82.5℃ | ||
CCD#1 | 70.3℃ | 63.5℃ | 68.3℃ | 64.8℃ | ||
Cores (MAX) | 73.4℃ | 66.8℃ | 69.1℃ | 68.6℃ |
正規の正面のみ取付から冷却ファンを追加すると冷却性能はアップする。
裏面を1台もに取付けとする場合は上側に取付けでも下側に取付けでもほとんど同じ。
今回の検証はあくまで騒音が気にならない回転数の1000RPMで固定なんで
冷却ファンがフル回転でもいいよって人は冷却ファンを追加する必要はないだろう。
実際の運用のおすすめ
さすがのNoctuaといえども回転数が1200RPMあたりから少し騒音が気になるんで騒音と冷却性能を向上させるためには冷却ファンの追加は効果あり。
少しでも冷却性能をアップしたい人は裏面に2台追加するのがおすすめ。
Ryzen 5900Xのフル負荷で冷却ファンの回転数1000RPMでも66.8℃以下となるので静音もバッチリだ。
冷却ファンの設定は今回の場合、70℃までは1000RPMの設定とすれば騒音は気にならない運用ができる。
80℃以上で1200RPMの設定としておくと、さらに温度が上昇してしまっても対応可能となるのでおすすめする。
冷却性能やパーツにこだわりたい自作erは参考にしてくれ。
今回は以上で終わり。ではまた。